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極私的 2017年公開映画ワースト10

連続投稿3つめ。
私的ワースト10です。

何を面白いと思うかつまらないと思うかは完全に個人の感性によるものであり
下記にあげるものを好きだと言う方のことを否定するつもりは毛頭ありませんし
映画製作は凄まじい労力を要します。
製作陣には敬意を示しつつ、完全に個人の好みとして書きました。

あとツッコミ入れるためにネタバレしてます。

10.『氷菓』
氷菓
密室劇の映像化は難しい。

TVアニメ版のファンから安易なアニメ実写化として
叩かれまくっていた作品。
それは大きな勘違いで原作の古典部シリーズは小説なんで
これは原作小説の映像化作品です。

この作品についても悪感情があるとかではなく
密室劇っていうのは本当難しいんだなと再認識させてもらいました。
演出に触れたことのある方は想像つくと思いますが
こういう部屋の中でひたすら会話して進行していく話は
画変わりがさせ辛く、ロケセットなら壁をぶち抜いたり
屋根が無いので俯瞰からいったりとそれなりに構図のバリエーションも
とれなくはないですが、借り物の学校の教室では不可能なので本当にきついです。

安里監督は細かくカットを割り校舎内の移動とカットバックさせたりして
なんとかリズム良くしようとしていましたが
あまりにも話が地味すぎて「退屈」以外に表現の仕様がない作品になってしまいました。
これは監督のせいとかじゃなくもう原作がとことん映像に向いてないからとしか
言いようがないんじゃないでしょうか。

アニメ版は非常に地味な原作を
ギラギラにスーパーリアルな誇張表現で
しかも恋愛要素を大幅に付け加えることで情緒たっぷりな青春ものに脚色していましたが
アニメを手掛けた京都アニメーションと武本監督が凄いだけで
実写版が悪いとかとはちょっと言い辛いなと…。
ただ、退屈なのはどうしようもないもので。

9.『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(Fireworks, Should We See It from the Side or the Bottom?)
2017打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
オリジナルが偉大すぎた。
http://undersiege.blog112.fc2.com/blog-entry-222.html

8.『忍びの国』(Mumon: The Land of Stealth)
忍びの国
言ってることとやってる事がまるで合ってない。

天正伊賀の乱を基にしたNEO時代劇。
殺陣とカッティングの巧さで人知を超えた忍者アクションがひたすら続く
中盤くらいまでは面白かったのですが
後半に差し掛かるとだんだん話運びのぎこちなさが気になってきます。

無門という金にしか興味ない無頼漢の忍びがお国という女性と
忍びなのにまともな倫理観持ってる下山平兵衛の存在で変わっていく話…
かと思ったら全然そうではなく平兵衛は無駄死ににしか見えないし
お国はお国で「戦に行きなさい!」って無門を叱責して送り出した癖に
舌の根乾かないうちに「死んではなりません」とかほざき出して
「いやいや!戦に行かせたのお前だろうが」って思わずツッコんでしまいました
しかも無門が戦死したって聞いた時ショック受けてたし
だからお前が戦に行かせたんだって!!

そしたら段々細かいことが気になってきちゃって
金が出ないからさっさと国を見捨てて逃げ出した里の忍達を
無門は北畠家秘蔵の小茄子の価値で釣って闘わせるんですけど
そもそも信用ゼロの無頼漢がそんな物どうやって金に変えるつもりだったのかとか
味方もゲスばっかなんだから闘うよりその小茄子盗みにくるんじゃないのかとか
あとキャラクター的にも完全に侵略しにきてる織田軍の方が正統派なんですよね。
偉大すぎる親父のせいでヘタれになっちゃった信雄がペルソナを脱ぎ捨てたことで
家中が一致団結するところで完全に正義が侵略側にあるように見えちゃうんですよ。
実際狙って味方と敵のキャラクターを逆にしたんでしょうけど
それやったせいで忍側が全然魅力的じゃ無くなっちゃいました。
これが「舐めてた織田軍にやられたことで逆に伊賀の里が団結する」だったら
もう少し話がスマートだったのになと。

部分部分は面白いのに通して観ると残念。
そういう作品でした。

7.『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(The Mummy)
ザ・マミー
1パイも出てこない『スペース・バンパイア』

ユニバーサルによる過去ホラー作のリブート企画「ダーク・ユニバース」の第一弾。
邪悪な古代エジプトの王族が蘇ってくるという内容ゆえに
公開前から『ハムナプトラ』シリーズのパチ物臭が半端無かったですが
予想を覆して出てきたのはエジプト版『スペース・バンパイア』でした。

ストーリー的にもジキル博士が存在自体不要だったり
そもそもこいつの作った組織も仰々しく出てきた癖に
何がしたかったのか全くわからないまま壊滅
邪悪なエジプトの王女が操るパワーの原理も不明
そもそもなんでこいつは異教徒である十字軍の遺体を操れたんですかね?
良いのかお前ら?異教徒だぞ。騎士の矜持はどこにいった。
あとトム・クルーズがなんかすごい力に目覚めて最後にマトリックス無双して
続編匂わせて終わります。
一体なんで急に強くなったのかは観ていてもよくわかりませんでしたが
とりあえず批評的にも興行的にも失敗してしまったので多分続編がないのはわかりました。

纏めるとオッパイが出てくる分『スペース・バンパイア』見た方がお得だと思います。

6.『ハルチカ』(Haruta & Chika)
ハルチカ
暴力反対。

吹奏楽にかける青春。
いいですね、青春の躍動感に音楽、最高の組み合わせです。
でも暴力はダメです。
映画内で事あるごとにチカはハルタに暴力振るうんですけど
男女逆に考えてみましょう。
暴力は暴力です。
劇中で幼い頃チカがハルタに暴力振るったのはハルタを守るためと説明されてましたが
高校時代でもボコボコ殴ってました。

あとすごく気になったのがどこにフィクションラインがあるのか
わからなくなると言う点で
部員勧誘パートの終了直後とラストで急にミュージカル調になるんですよね。
冒頭からそうなら「そういうもの」として見てられたんですが
急にそれまで守ってきたフィクションラインを飛び越えてくるので
どこまでリアルでどこからリアルじゃないのかわからなくなっちゃいました。

あと個人的に勘弁して欲しいのが
仲間を鼓舞するためにみんなで押しかけて演奏するっているパターンで
去年の「青空エール」でもすごく気になったんですけど
多少は若気の至りで許されても劇中で2回もやるのはやめて欲しかったです。
いいものっぽく描かれてましたけど関係ない人にとってはただの迷惑行為ですからね。

5.『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』(Sword Art Online The Movie: Ordinal Scale )
オーディナル・スケール
設定が雑。

ターゲット層が明確なニッチなアニメファン向けアニメ映画では
昨年最大のヒット作。
いや、私このシリーズTV版を全話見ていたくらいの知識なんですけど
なんか設定に違和感というかおかしく感じるところが多く
なんでAR空間で実質生身で戦ってるのに特に鍛えてもいない奴が三角跳びとかしてんの?とか
チート使ってた奴はなんで最初からキリトが障害になりそうだってわかってたのに
レベル上げしてる間に倒さなかったの?とか
記憶をスキャンするのになんでコピーじゃなくて本人の記憶消すの?とか
ゲーム中でやられるとヤバいの分かってるのになんで皆AR用のデバイス外さないで
アホみたいに闘い続けてるの?とか
そもそもなんで最後バトルに展開したの?闘う必要あった?
とか展開と設定のノイズが多すぎて話に全く集中できませんでした。
根本的な疑問なんですけど本当に誰かを始末したいなら、AR内の拡張現実空間で戦わないで
闇討ちして物理で殴った方が早いし確実じゃないですかね?

戦闘描写も作品の売りの一つなはずですが
闘いに駆け引きがないというか、ただ叫んで突っ込んでいってるだけにしか
見えないのも個人的にはちょっと…。
その点だけで言えば同じニッチ層向けアニメでも
『Fate/stay night』の方が圧倒的に優れていました。

アニメーション自体のクオリティは素晴らしく
ドラマパートに関しては演出面でも感嘆しました。
が、根本的にキャラクター設定が私の感性に合わないらしく
どうしてもオタクがイキッてるだけにしか見えませんでした(クラインとエギル以外)。

ファンの間では概ね高評価で受け入れられたようですが
この作品はあらゆる意味でTVシリーズを全話楽しんで見られた人向けなんですね。
私もアインクラッド編は大好きなんですが、
本作も含めてどうしてもそれ以外のエピソードが蛇足にしか見えないもので。

4.『鋼の錬金術師』(Fullmetal Alchemist)
鋼の錬金術師
ビジュアルが受け入れられない。

一番キツかったのがオープニング。
髪をブリーチしたちゃり毛と襟足の長い少年…じゃなくてエドと
髪をブリーチしたちゃり毛と襟足の長い少年…じゃなくてアルが
ママを蘇らせるため人体錬成をするこのシークエンス。
なにがやばいって、自主映画でも今日び滅多に見ないパーフェクトな棒読み
なにがやばいって、タイトルクレジットの間抜けな演出。
この瞬間本作はあの2004年に公開された伝説の作品
『デビルマン』の高みに触れていた言っても過言ではありません。

あまりに凄い劇物を投与されてしまい、オープニングの時点で
本気で劇場から出たくなりましたが、賢者の石(偽)を追う最初の戦闘描写が素晴らしく
また金髪の山田涼介さん…じゃなくてエドも
茶髪の本田翼さん…じゃなくてウィンリィも冒頭の少年たちに比べれば
「そういう物」として受け入れられなくもなってきます。

またメイクのお陰でラスト(松雪泰子さん)あたりは我慢できる範疇にあり
さすが曽利文彦監督というかアルのCG造形は日本映画としては相当にハイクオリティだったので
段々違和感が無くなってきます。(違和感が無くなるとは言っていない)
金髪の蓮佛美沙子さんと大泉洋役の大泉洋さん以外。

終盤の展開で時間経過が滅茶苦茶だったり
瞬間移動でもしたのかと思うくらい急に場面が変わったりと
気になる所もありましたが少なくともカッティングやCGモデリングの面では
かなり国内作品でも良いセンに行ってました。
逆に言うと役者のビジュアルに対する違和感が半端じゃなく
ただその一点のせいで大幅に興を削がれてしまったのが残念でたまりません。

3.『たたら侍』(Tatara Samurai)
たたら侍
あり得ないぐらい話が退屈。

何も起きない話ってありますよね?
有名なところで言うと古くは『東京物語』
新しいところで探すとベストに入れた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
劇中大した事件は起きないけど終わった時に小さな変化を感じる
ストーリー性ではなく情緒を楽しむ、そういうタイプの作品です。
本作はそういう何にも起きない話です。
ただ、上記に上げた作品群と違うのは結果的に何にも起きない話になっているだけで
1大スペクタクルにするつもりで作ったら何にも起きない話になってしまった。
そういう肩すかし系映画です。

時は戦国時代、高度な製鉄技術を持つ出雲の村に住む
技術者の伍介(主人公)が立身出世を夢見て徳川家に士官⇒初戦で心おれて帰郷
と2コマ落ちみたいな展開でいきなり予想を裏切り
いかにも胡散くさい商人に唆されて、どうみても怪しいのに村を武装化したら
用心棒として胡散臭い野武士を商人がつれてきて村が乗っ取られる。
伍介ひたすら何もしないまま、商人の姦計に気付いたAKIRAが攻め込んできて
野武士を倒したのに商人に火縄で撃たれて死亡。
商人の火縄を切った後、伍介ボーっと突っ立ったまま。
その後商人の姦計はどうなったのかとかとくに描かれず
特に村の様子も何もかわらず、伍介ボーっとしたままエンディングへ。

純粋に疑問なんですけどこの話、一体どこが面白いと思って作ったんでしょうか?
始めと終わりで村にも伍介にも何の変化も見えず、主人公のはずの伍介は終始何もしないまま。
2時間ぐらい尺があるのですが、冒頭の10分と結末の10分を繋げても成立してしまうような話に
何の楽しみを見いだせばいいのか私には全くわかりませんでした。

脚本も兼ねた錦織良成監督とは、昨年ある所でお話しする機会があり
映画への熱い想いや企画を実現させる高いバイタリティを知っただけに
映画人としてはすごく尊敬しているのですがちょっとこれは…。
すいません、やっぱつまんないものはつまんないです。

2.『本能寺ホテル』
本能寺ホテル
頭の困った女性が戦国時代にタイムスリップするけど何も起きない話。

TV企画にTV演出家という約束された事故物件のフジテレビモデル。
その…なんていうか…タイトル下に書いた1行が全部なんですよね。
すごく乱暴に要約すると綾瀬はるかさんの演じる、
失業中の(軽度の知的障がいがあるようにしか見えない)流されやすい女性が
タイムスリップして信長に会った結果歴史の教師を目指すことになる話です。

タイムスリップして戦国時代に行った結果がそれって
この話タイムスリップも信長も必要ないんじゃないですかね?
信長がお人よし過ぎてそもそもこんな奴は天下統一目指さないとか
作中の一発ギャグがことごとくスベッてるとか他にも色々あるんですけど
舞台設定にあんまり意味があるように思えないのが一番気になりました。

あと演出がまんまTVドラマ。
BGM使いすぎ、説明台詞多すぎ、スローモーション使いすぎ。
話自体は上述の『たたら侍』の方が退屈だったのですが
『たたら侍』は映画的な作りにはなっていたのでこちらが下回りました。

1.『劇場版 お前はまだグンマを知らない』(You Don't Know Gunma Yet )
お前はまだグンマを知らない
無の境地を教えてくれる。

つまんなかったです。
以上。

…じゃなくて、この作品はそもそも映画として評価することが間違っているのかもしれません。
これ、映画じゃなくてコントなんですよ。
フラットに光が回って被写界深度が常に深く
人物は横並びで画面に奥行きが全くない、衣装もテラテラ。
まさに書き割を前にしてやるコントそのものです。
89分あるんですけど、同じ映像見るなら陣内智則のコントを89分見た方が
絶対幸せになれます。

本作については怒りとかさえもないです。
本当にただ「無」。
これ、多分作ってる本人たちでさえも面白いと思ってないんですよ。
作ってる方もギャグがことごとくスベッてるのは自覚してるから
変顔しながら大袈裟な抑揚でモノローグ垂れ流しにして
「ほら!ここ笑う所ですよ!」
ってTVで出すテロップの代わりに観客にサイン送ってるんです。
これはウケるって思ったから立ちあがった企画じゃなくて
吉本興業の節税対策かなんかだったんですかね?
だとしたら立派に役目を果たしたことになります。

お疲れさまでした。
 
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2017年公開日本映画 私的ベスト10

10.『きみの声をとどけたい』(Your Voice -KIMIKOE-)

きみの声をとどけたい
ベタだけどそれがいい。

http://undersiege.blog112.fc2.com/blog-entry-224.html

9.『探偵はBARにいる3』(Phone Call to the Bar 3)
探偵はBARにいる3
変わらない安定感。

毎度おなじみ道産子ご当地映画シリーズの第3段。
ストーリーがややシリアスになった反動か
ギャグの下ネタ含有度が倍増したのも個人的にはプラスです。
監督が2までの橋本一さんから吉田照幸さんに交代しましたが
どちらも職人監督で長くテレビドラマの演出に関わってきたという共通点があり
あまり差異は感じませんでした。
このシリーズはもう永遠に続いてほしいですね。

8.『勝手にふるえてろ』(Tremble All You Want)
勝手にふるえてろ
人はこじらせ過ぎるとこうなる。

2004年に『蹴りたい背中』で芥川賞の最年少受賞者となってから
文壇のアイドルとして存在感を発揮してきた綿矢りさ原作小説の映像化。

私恥ずかしながら『蹴りたい背中』以外の著書を読んだことがなく
そんな程度の予備知識のまま観賞したのですが
この『勝手にふるえてろ』をみて、綿矢先生は感性が10年以上前から
かわってないんだなと。
要するに瑞々しかったってことです。

あと、監督多分女性なんだろうなと思ったらやはり女性でした。
個人的に女子トイレのシーンと女性の靴をフィーチャーするカットがある場合は
高確率で女性監督だと思ってます。
ほら、男の監督だと女子トイレで起きてることってよくわかんないし
女性の靴に意味を持たせるのも感覚的によくわかんないんで。

7.『サバイバルファミリー』(Survival Family)
サバイバルファミリー
企画力が全て。

毎度おなじみ矢口史靖監督の企画力が光る
企画が全ての1本。

男子シンクロ、高校ジャズバンド、航空業界、林業
ときて今度は電力が消失した世界でのサバイバル生活
という実にらしい作品で、特に大きな驚きは無いですが期待値通りに
楽しませてくれる安定感は素晴らしいです。

6.『散歩する侵略者』(Before We Vanish)
散歩する侵略者
示唆に満ちた寓話。

強い作家性を持っている数少ない日本の映画監督の一人
黒沢清最新作。
人類から少しずつ物の概念を奪うことで
地球を侵略する宇宙人の話。

色々と示唆に満ちている作品ですが
個人的には概念を奪われた人というのは
アルツハイマー病の比喩なのかと。
意味を失った事で客観的には困った状態でも主観的には幸せに感じる。
意外と失う事は悪い事でもないのかもしれませんね。

5.『夜は短し歩けよ乙女』(The Night Is Short, Walk on Girl)
夜は短し歩けよ乙女
セカイ系の亜種とも言うべき独特な世界観。

なんだかんだと言ってもそれは運命だから最後は惹かれるんだよという
わりと身も蓋もない話なのに、展開があまりにも斜めを行っているために
全然それを感じさせない不思議な魅力に溢れたロマンス。

共通するキャラクターが登場する
同じ監督・同じ原作者の「四畳半神話大系」を
観ているとより楽しめます。

4.『三度目の殺人』(The Third Murder)
三度目の殺人
現代版「藪の中」。

強い作家性を持っている数少ない日本の映画監督の一人㈪
是枝裕和最新作。

ある殺人事件をめぐり関係者が全員違った証言をする
いわゆる「信頼できない語り手」的なサスペンス映画。
これを同じ人物でも人によって全く見え方が違うという
人間の多面性を描いた寓話として観るか
それともスノッブな犯罪者に弁護士が振り回される話として観るか
は人次第ではないでしょうか。

ただ、冒頭の空撮カットはちょっと違和感しました。
是枝監督はこういうダイナミズムとは無縁のかなり禁欲的な演出をする
イメージだったので。
あとなんか全体のトーンから浮いちゃってる感じも。
多分ドローンで空撮したんだと思われ
今はインディーの世界でもドローンで空撮する人は割とおり
こんな安く空撮できるなら使っちゃいたくなるのも当然ですかね。

3.『Fate/stay night [Heaven's Feel] 第一章「presage flower」』(Fate/stay night: Heaven's Feel)
Fate stay night
一見さんお断り。ニッチでピンポイントな中二病伝奇。

映画というのはそれ1本で完結しているコンテンツであって欲しい。
そう思います。
故にこういったオタク向けのピンポイントなアニメ映画はあまり
良いものとは思えないのですが…。

伝説的大ヒットを記録したエロゲの映像化作品であり
元のゲームが共通ルートから3つのストーリーに分岐するということから
1ルートだけを映像化しても何のことやらわからない作りになっている上に
共通ルートの部分をオープニング映像に思いっきり凝縮して流し
「分からない人は付いてこなくていい」という強烈なメッセージを冒頭から発してきます。

こういう作品を映画として評価すること自体がそもそも間違っているのかもしれません。
しかし、意味がわからなくなることを承知の上で
流れ上必要なシーンをカットし逆に原作の補完をするためのシーンを大量に追加したことや
戦闘場面での数の暴力にも思えるヌルヌルなアニメーションを見ると
製作陣の偏執狂的なこだわりには敬意しか感じません。

2.『帝一の國』(Teiichi: Battle of Supreme High)
帝一の國
大仰を突き詰めるとこうなる。

古屋兎丸によるシュールギャグ政治ピカレスクロマン作品の実写化。
私はコミックを実写化するときには、漫画的表現は避けて
逆に出来るだけリアルに抑えた芝居でやるべきだと思っているのですが
大仰さというのもここまで突き抜けてアホっぽさを狙えば効果的なんですね。
あと、非常に漢密度高い漢臭い作品ですが
狙ってか皆の関係が中々ホモホモしいのでそういう方面の需要も取り込めたはずですが
興行的には失敗だったようです。
勿体無い!

2010年代に入ってからコミックの実写化もなかなか
高クオリティのものが増えてきており嬉しい限りです。

1.『夜明け告げるルーのうた』(Lu Over the Wall )
夜明け告げるルーのうた
これは湯浅版『崖の上のポニョ』だ!

5位に続いて2本目の湯浅監督作。
一言で言うなら湯浅版、崖の上のポニョ。
しかも本家ポニョより遥かに出来が良い!(個人的見解)
仮に同じ題材おなじ脚本で20年前に宮崎駿監督が撮ったとしても
こんな尖った魅力を持つ作品には絶対にならなかったと断言できます。

ジブリが追い求めてきた崩さないまま綺麗な作画で美しく動かす
とは対極な崩したデザインでとにかくヌルヌル動かす超デフォルメされた演出は
アニメでなければ許されないアニメだからこその魅力です。
20年前『マインド・ゲーム』の頃は先鋭的すぎてあまり一般受けしなかった
湯浅監督ですが時が経ちちょっと作風がマイルドになったたためか
アバンギャルドな部分とベタな部分が程よく融合し、癖のあるキャラデザインが
受けいれられるなら誰にでもお勧めできます。

2016年は近年稀にみる邦画の当たり年でしたが
2017年は良いなと思う邦画が大幅に減ってしまいました。
総じてアニメ映画の方が出来が良かったのは例年通りでした。 

2017年公開外国映画 私的ベスト10

もう2月ですがあけましておめでとうございます。
毎年やってるのでこれだけはやっておこうかと。

外国映画の私的ベスト10です。

10.『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(IT)

イット “それ”が見えたら、終わり
ホラーテイストのジュブナイル映画。

モダンホラーの帝王、スティーヴン・キングの同名小説2度目の映像化。
スティーブン・キングの映像化作品というと
『ショーシャンクの空に』や『スタンド・バイ・ミー』など
非ホラー作品が高く評価される一方、本筋のホラーの映像化作は
イマイチな評価だったりするのですが
本作に関してもホラーというよりはジュブナイルものといった作りに近く
ホラーが苦手な方でも楽しめるのではないでしょうか。

9.『哭声/コクソン』(곡성 The Wailing)

哭声
悪魔は虚言に真実を混ぜる。

日本から國村隼さんが参加したことでも
ちょっと話題になった韓国映画。
ビジュアル的には祈祷師のダンスだけがひたすら
脳裏に残る作品でしたが
「悪魔は嘘をつく」という冒頭の言葉の通り
悪魔は誰だったのか?
誰の言葉が真実だったのか?
いくらでも解釈の仕方があるそういう難解なタイプの作品です。

8.『LOGAN/ローガン』(Logan)
ローガン
最後のウルヴァリン(最後とは言っていない)

2010年代の作品とは到底思えないほど
杜撰なジャパニーズ描写以外全然覚えてない
『ウルヴァリン: SAMURAI』に続くX-MENシリーズ10作目。

少女を国境まで連れていくというとことんシリアスかつ
とことんソリッドでシチュエーションを単純化したのが
大成功。
これでジャックマンウルヴァリンも終わりかと思うと
寂しいようなそうでもないような。

7.『ワイルド・スピード ICE BREAK』(The Fate of the Furious / Fast & Furious 8)
ICE BREAK
俺たちはファミリーだ。

もう永遠に続いて欲しい脳筋カーアクション映画。
ジェイソン・ステイサムが味方に加わったことでますますアホっぽさが増した以外
いつもと同じなので特に書く事ないです。

6.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』( Guardians of the Galaxy Vol. 2)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
俺たちはファミリーだ×2。

宇宙番『ワイルド・スピード』。
血の繋がってないパーティメンバーが
チバラギのヤンキー的なノリで疑似家族として戦うという面で
『ワイルド・スピード』とやってることはほとんど一緒です。
ただこちらの方がメンバーのボンクラ感が高く
その1点でわずかに『ワイルド・スピード ICE BREAK』
を上回りました。

5.『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(Manchester by the Sea)
マンチェスター・バイ・ザ・シー
抑制の利いた地味な佳作。

暗い過去を背負った男と父を失った甥っ子の話。
過去と現在の時間軸をバラバラした構成になっており
中盤のあたりまで何の話を語ろうとしているのかが意図的に伏せられた
作りになっています。
個人的にはもう少し結末をはっきり語って欲しかったのですが
この抑制の利いた演出なら結末はあれで正解だったんでしょうね。

4.『新感染 ファイナル・エクスプレス』(し부산행 Train to Busan)
ファイナル・エクスプレス
バタリアン型ゾンビ・インKTX。

『哭声/コクソン』に続いて2本目の韓国映画です。
ソウルからプサンに向かう新幹線の中でゾンビの集団感染に遭遇してしまう
親子を中心に描いた群像劇。

エリート意識の高い自己中、妻を守って戦い抜く漢の中の漢
画に描いたような小悪党といった個性豊かなメンバーが
ちょっと改心したりしながら大体想像通りの順序でやられていくのも楽しいですし
『ミスト』パターンかと思わせつつちゃんと救いは残したまま締めるのも新鮮でした。

ゾンビの描写的に監督が『アイアムアヒーロー』好きなんだろうな
と思ったら造形面で大いに参考にしたとのコメントがあったのもポイント高いです。

3.『ベイビー・ドライバー』(Baby Driver)
ベイビー・ドライバー
シリアスなのに何かがおかしい。

冒頭が『ダークナイト』で大まかな筋が
『トゥルー・ロマンス』と『ヒート』と『ドライブ』
っぽくて話はシリアスなのにジャンルはコメディで
誰も歌って踊らないのにミュージカルでもあるという
エドガー・ライトのオタク魂全開なごちゃ混ぜ映画。

世間的に昨年のナンバー1ミュージカルは
『ラ・ラ・ランド』だったはずですが
私は圧倒的にこっちが好きです。

2.『メッセージ』(Arrival)
メッセージ
科学的にも正しいハードSF。

異星人と人類のコンタクトという
とことん使い古されたネタなのに新しいSF映画。
科学考証の正しさも話題になりました。
https://gigazine.net/news/20161116-arrival-stephen-wolfram/

ただ、本当の魅力はそういうリアリティへのこだわりではなく
使い古されたネタの中に叙述トリックを盛り込んできた
という構成の妙だと思っています。

1.『沈黙 -サイレンス』(Silence)
サイレンス
神は沈黙していたわけではない。

かのグレアム・グリーンをして「20世紀のキリスト教文学で最も重要な作家」
とまで言わしめた遠藤周作原作の映像化。
監督したマーティン・スコセッシはかつてカトリックの司祭を目指していた
ということもありこの宗教色に満ちた作品を作るにあたって
前作の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とは全く真逆の禁欲的な演出に
終始したようです。

まず、全編とおしてBGMが全くといっていいほどありません。
その代わりに虫の音や風のざわめきといったSE音が強く強調され
音響の面から作品の持つ神秘性を強くサポートしています。
またカメラワークも動きまくった前作に比べて
フィックスと動きもパンニングが多くまた画面を狭くした
抑圧的なショットが多く挟まれていました。

それでいて上映時間2時間半超えの長尺なのに苦痛さを感じさせない
というのは凄いとしか言いようがないですね。

韓国映画が2本入りました。
それ以外は全部英語圏の作品ですが
非英語圏の作品だと
フランスとポーランド合作の『夜明けの祈り』(Les Innocentes)夜明けの祈り

ボスニア・ヘルツェゴビナとフランス合作『サラエヴォの銃声』(Smrt u Sarajevu)サラエヴォの銃声

あたりは印象に残ってます。
 
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