『桐島、部活やめるってよ』—感想・レビュー

スクールカーストの生々しい現実

個人的評価 80/100点


■あらすじ
いつもと変わらぬ金曜日の放課後、バレー部のキャプテンで成績優秀、
誰もがスターとして一目置いていた桐島が突然部活を辞めたというニュースが学校内を駆け巡る。
桐島の恋人でさえ彼と連絡が取れないまま、
桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろんありとあらゆる生徒に波紋が広がっていく。
人間関係が静かに変化し徐々に緊張感が高まっていく中、
桐島とは一番遠い存在だった映画部の前田(神木隆之介)が動き出す……。

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■わかりづらい
本作を鑑賞したとき、私の後方にいたティーンが言ってました
「なんか難しくてわかんなかった」
はい、私もそう思います。

でもそれで良いんじゃないでしょうか?
特にティーンにとって本作で描かれていることは
自分たちの日常そのものなはずのなのでそんなもの見せられても
というのがあると思います。

こういうことってちょっと大人になってから
思い出として見る方がわかるんだと思います。

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■一言でいうと
本作を一言でまとめると
「スクールカーストの最下層と最上層の2人が一瞬だけ交わる話」
になります。

題名の「桐島が部活を辞める」はただのフックで
桐島くんの存在はマクガフィンとして使われているので
最後までその姿は描かれません。

■なんでわかりづらいの
本作は無意味と思える描写やディテールを徹底的に積み重ねることで
意味を生み出すという極めて回りくどくて見てて疲れる
展開をしています。

俳優の目配せやカメラワークだけで表現している箇所もあり
それがわかりづらさを助長しています。

本作のクライマックスは屋上でゾンビ映画を撮っていた
映画部(スクールカースト最下層)が
バレー部、帰宅部のいけてる男子(スクールカースト最上層)
に撮影の邪魔をされた挙句、邪険に扱われてついに反抗を示すところです。

この展開には胸が熱くなりました。

ただクライマックスはここで終わりではなく
その後に交わることのない最下層と最上層を代表する2人の
邂逅が描かれます。

最上層の池面くんが映画部のヘナチョコ君の矜持に
中途半端な状況の自分を対比させ涙する
その姿は全国のヘナチョコ文化系男子に感銘を与えたに違いありません。

■技術的に
ちょっとだけ技術のことを書くと
この映画も撮影技術が極めてテクニカルでした
単純に演出テクニックの比較となると
今年の邦画では深川監督の『ガール』と双璧をなす作品だと思います。
(ガールが素晴らしい映画だったと言っているわけではないです)

心理描写での極端なまでのクロースアップの多用にちょっと疲れましたが
オープニングからしばしば繰り返される歩きカットの移動ショットは
すごいの一言です。

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