自主映画の作り方番外編 撮影レポート 

このブログをいつもご覧いただいている数少ない皆さん。
ご無沙汰しております。
管理人です。

実は先々週から先週にかけて合宿撮影に入ってまして
その前の製作から含めて殺人的な忙しさだったため
更新がすっかり滞ってしまいました。

いつもは自分のことを書かないようにしているのですが
いろいろ発見がありましたので今回は製作から撮影までの
ことをまとめてみました。

これから自主制作映画を作ってみたいと思っている人には
参考になるかもしれません。

2012年12月予告編をアップしました。


※上映会のお知らせ
自主上映会します。2013年1月予定

http://undersiege.blog112.fc2.com/blog-entry-149.html 
1.もっとマシなものが作りたい 2012年2月

今回の企画が立ち上がったのは今年の2月
昨年の夏に撮った前作の試写をした日のことです。

しかし私は我ながら出来にかなり不満でした。
試写が終わった後、共同脚本した兄と何が問題だったのか話しました。
その結果問題は3つに集約されました。

(1)技術的な問題
これは機材の問題も含まれていて
実は前作まで私はDVX100というDVカムでSD画質で撮っていました。
もはやこの機材は時代遅れもいいところで
今はHDが当たり前となっています。
SDで撮っていたのは単純に編集環境などがそろえられなかったから
という事情があったためです。

(2)脚本の問題
我々二人の見解として脚本の質が悪いとは思ってはいませんでした。
ただ、面白いか面白くないかといわれると面白くは無かったというのが
客観的な評価です。
真面目にやりすぎたことを反省し、もっと不真面目は内容にしようと考えました。

(3)演技の問題
これはあまりどうこう書くのはやめておきます。。
知り合いが見てるかもしれないので。
ただ演者さんたちに言いたいのは台詞ぐらいちゃんと入れてこいよということです。
またあまりにも人手が足りなく私が一人でカメラから照明、音声のセッティングを
して段取りまでしていたので演者に目を配れなかったというのもありました。

ちなみに前作については以下に予告編などあります。
http://www.fidff.com/com/2012-029.html

カチンコを打つ管理人。人手が足りないので助監督と記録も兼任しました。
カチンコ


2.どうやって改善するか 2012年2月

(1)技術的な問題について
今回はCANONの一眼レフEOS 7Dを使用することにしました。
一眼レフのムービーは自主制作映画の世界では今
非常にメジャーなものであり、実は今年の1月にも
ある映画ワークショップの終了製作で試していたためです。
その際にEOSの持つ圧倒的な描画力に魅せられ次はこれで行こうと思っていました。

ただここで大きな技術的な問題が出てきました。
まず、一眼レフは文字通りスチールカメラであり
動画機能はただのおまけです。
ですので動画を撮るのに全然むいていません。

音声機能が貧弱というのもありますが
フォーカス送りが非常に難しく、またレンズワークの知識が
無い人間が使用してもその力を発揮させるのは無理だと思いました。

「音声は最悪自分で何とかするにしてもカメラは任せたい…」
一眼レフでの撮影実績があるカメラマンをあっちこっち探し
結果的に重枝さんに辿り着けたのは幸運としか言いようがありませんでした。

以下は重枝さんのサイト。
http://homepage2.nifty.com/pangaea_film/

(2)脚本の問題
これは2月の時点ですでに兄が考えていました。
兄の書いた初稿のコンセプトはとにかく下品な台詞を矢継ぎ早に応酬するということで
まだシナリオと呼べるような形には仕上がっていませんでしたが
十分魅力的に感じました。
それを二人で肉付けしていくことで脚本を仕上げていきました。

(3)演者の問題
お友達枠を無くそうという意見で一致しました。
6つの枠で演者を募集し、最終的に書類も含めると150人前後
の中から選びました。
また、監督は私と兄の共同監督という形にし
演技指導だけは兄に一任し、それ以外の部分を私が担当するという形にしました。
常に演者を兄が見張っていることではみ出す人を無くそうという
考えです。

撮影光景2


3.製作に入って 2012年2月〜9月末
今回は舞台設定を海辺のペンションにしました。
前回は山間の町だったので今回は海にしようか…
という安直な理由です。
ただし、ペンションのオーナーの知り合いはいなかったし
知り合いの知り合いにも見つからなかったので
今回は協力してくれそうなフィルムコミッションを探すところから始めました。

フィルムコミッションというのは、映画等の撮影場所誘致や撮影支援をする
団体のことです。
いわゆるお役所がやっているものと民間がやっているものがありますが
お役所がやっているところは自主映画には冷たいです。
今回も問い合わせしても返事もしてくれないところがありましたし。。

結果的に千葉県・鋸南町のフィルムコミッションに協力を得ることが出来たのは
幸運としか言いようがありませんでした。
代表の清水さんにはロケ地の選考・交渉から宿泊・ロケ弁の手配まで
無償でしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。

撮影光景3


4.オーディション・本読みとロケハン 2012年7月〜9月末
これはもちろん前回までもやっていたことですが
まずロケハンには監督だけで行かず、カメラマンと音声スタッフに同行してもらい
その場でいくつかは物撮りと
オンリー(カットのつながりを良くするために入れる蝉の声とかの背景音)
も実施しました。

本読みについても今まで一度しか行わなかったのですが
本番に入っても芝居が固まっていない人が結構いたことを反省し
3回衣装合わせも兼ねて本読みを実施しました。

撮影光景4

5.クランクイン・合宿開始・問題山積 2012年10月
10月6日に鋸南町のペンションでクランクインしました。
クランクインの前にも我々兄弟は何度も鋸南に赴き
小道具や製作進行の話をし、各方面のスケジュール調整を泣きそうに
なりながらしていました。
クランクイン前日は徹夜仕事になったのは言うまでもありません。
製作部がいないとこういうことになります。
むしろ製作部がちゃんとある自主映画の方が珍しいですが。

クランクインして当初の撮影は押しに押しました。
まず懸念していた音声でのトラブルが多発したことで
撮影が中断したことがあげられます。
上述しましたがEOSは音声が駄目駄目なので普通にEOSに録音すると
ホワイトノイズが載っちゃってしょうがないです。
ついでに言うと業務マイクに使う端子(XLRと呼ばれています)も付いてません。

そこでカメラマンの重枝さんが音声をEOSに同録するシステムを構築
してくれました。
これはEOSからICレコーダーをつなぎそこからミキサーを経由させて
マイクを接続するというものでミキサーとICレコーダー側での操作で
ノイズの問題などはある程度クリアできていました。

ところがミキサーの電源が初日にいきなり故障してしまい
その影響から酷い音割れを起こすようになりました。

ミキサーをあきらめICレコーダーにマイクを直結させることで
この問題はとりあえず解決しました。

また、我々兄弟の役割分担がうまくいっておらず
結局全ての段取りを私がやっていたため芝居が固まらないまま
本番に入ってしまいNGを出すという悪循環に陥っていました。

あと実際やってみると脚本にもかなりクセがあり
とにかく台詞の量が膨大な上登場人物が多いため
カット割りに大変苦労しました。

全部引きの1カットでいっちゃえば1シーン最小1テイクで確かに
終わりますが引きの1カットで延々と見せられる会話劇は
客観的にみてかなり厳しいものがあります。
矢継ぎ早に繰り出される台詞を細かいカットつなぎで見せる
ことを考えていたためカット数が膨大になり
酷いところなど1シーンで60カット近くになってしまいました。

撮影光景

6.クランクアップ 2012年12月予定
初日から3日目にかけて8時開始26時終わりという
超過密なスケジュールとなりさすがにこのままはまずい
と考えるようになりました。

そこで兄と脚本の見直しをすることにしました。
今回は台詞量が膨大だったため、まず話の流れに直結しない部分を
ばっさりと切り落とし、つなぎのためにいくつかの台詞と動作の変更
追加を実施しました。
また、演出面でもカットつなぎを減らしドリーショットや
クレーンショットを多めにして被写体の動きが少ない代わりに
カメラに動きをつけるようにしました。

これらの効果が如実に出たこと、また我々兄弟の役割分担が
徐々にうまく動きだしたこと、天候が安定したこと等が功を奏し
無事に終了予定日の日中に予定部分を撮り切ることが出来ました。

製作部分を大きくサポートしてくださった
フィルムコミッションの清水さん
早朝から深夜まで過酷な撮影に付き合ってくれた
ニューシネマワークショップの皆さん
音声を全面的に仕切ってくれた細谷君
プロの技術で支えて下ったカメラマンの重枝さんとアシスタントの鷹澤さん
には心から感謝しています。
特に重枝さんと鷹澤さんのタフさには驚きました
私より20歳以上年上とは思えないほどよく動き、深夜2時過ぎの撮影終了後に
翌日の仕込をし、さらに酒を飲んで翌朝何事もなかったかのように
起き上がってくるお二人のことを見て「この人たちは本当はサイボーグなんじゃないか」と
本気で思ったぐらいです。

あとただみたいな給金で撮影に付き合ってくれた役者の皆さんにも
もちろん感謝です。

ちなみに終わったかのように書いていますが
まだ追加撮影が少しだけあり、完成予定は来年の初頭になっています。
また暇な人は見に来てください。

集合写真。ワークショップの皆さんが帰ってしまった後で多い日はあと5人くらいいました。
集合写真

今日は以上です。

関連エントリー
自主映画の作り方 プリプロダクション編
自主映画の作り方 撮影編

コメント

映画製作の大変さを思い知らされたようです・・・お疲れ様でした。
自分は映画好きながらこういった機会に恵まれなかった(しようともしなかった)のでとっても羨ましく思います。
また(お忙しいでしょうが)こういったレポを楽しみにしています。
2012/ 10/ 22( 月) 02: 05: 07| URL| ヒナタカ# -[ 編集 ]
 
ありがとうございます。
観るのとやるのは全然別の話で、いつも理想と現実のギャップに悩む日々です。
あと自分で言うのもなんですがこれはまともな大人のやることじゃないですね。
> 映画製作の大変さを思い知らされたようです・・・お疲れ様でした。
> 自分は映画好きながらこういった機会に恵まれなかった(しようともしなかった)のでとっても羨ましく思います。
> また(お忙しいでしょうが)こういったレポを楽しみにしています。
2012/ 10/ 22( 月) 13: 49: 58| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/ 10/ 31( 水) 10: 47: 57| | # [ 編集 ]
 

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