『アルゴ』—感想・レビュー

■個人的評価 90/100点
ベン・アフレックすげえ。

アルゴ1

■あらすじ
1979年11月4日、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠する。
混乱の中6人が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込むが、
残った52人の大使館員は人質となる。
イラン側は、癌の治療のために渡米した前国王パーレビの引き渡しを要求する。
大使館員の写真つき名簿は襲撃前にシュレッダーにかけていたが、
名簿が復元されれば脱出者がばれ、捕まれば処刑される。
国務省はCIAに応援を要請し、
人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれる。
トニーは、6人をニセ映画のロケハンに来たカナダの映画クルーに仕立て上げて
出国させるという作戦を閃く。
トニーの知人で特殊メイクの第一人者、
ジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)は協力を快諾する。
チームに参加した大物プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)は、
自宅で山積みになっているボツ脚本から、
イランでの撮影に相応しいSFアドベンチャー『アルゴ』を選び出す。
事務所を立ち上げ、大々的な記者発表を開き、本物さながらのプロジェクトが始まる。
一方、イランでは200人以上の民兵が空港を監視していた。
1980年1月25日、プロデューサー補に扮したトニーはイランへと向かい、
文化・イスラム指導省で撮影許可を申請した後、カナダ大使邸に入る。
6人は計画に反発するが、それぞれの役柄を暗記する。
翌日、ロケハンを許可した指導省が、バザールで担当者と面会するよう要求してくる。
トニーは怖気づく大使館員を説得して連れ出し、何とか乗り切る。
しかし翌日、トニーの上司オドネル(ブライアン・クランストン)から緊急電話で、
計画の中止が告げられる。軍による人質奪還作戦が決定したのだ。
航空券は取り消され、ハリウッドの事務所は閉鎖される。
トニーは6人に黙ったままホテルに帰る。
翌朝、トニーは電話で、6人を出国させると上司に宣言する。
しかし作戦の復活には、カーター大統領の承認が必要だった。
一方、大使館名簿の復元もあと数分に迫っていた……。 
■時代背景について
本作は1979年に起きた「イランアメリカ大使館人質事件」
を基にした実話もの映画です。

イランでは石油国有化制作を掲げて英国から石油権を取り戻した
モハンマド・モサッデグ首相が1953年にアメリカの干渉政策によって
失脚させられた後、親米西洋化路線を掲げるモハンマド・レザー・パフラヴィー国王
の実質的な米国傀儡政権が誕生しました。
パフラヴィーは自分の意向に反対する人々を秘密警察によって弾圧し、
近代化革命の名の下、イスラム教の保守派勢力を弾圧し排除。

この圧制が原因となり1979年2月にイラン革命が起きます。
イラン革命とは亡命中であったルーホッラー・ホメイニーを
精神的指導者とする国民の革命勢力が、政権を奪取した事件です。

イラン革命を機にパフラヴィーは病気療養を理由に
米国に実質的な亡命を果たします。

しかしホメイニーらが敵視するアメリカが、
同じく敵視する元国王を受け入れたことにイスラム法学校の学生らが反発し、
11月4日にテヘランにあるアメリカ大使館を占拠し、
アメリカ人外交官や警備のために駐留していた海兵隊員とその家族の計52人を人質に、
元国王のイラン政府への身柄引き渡しを要求しました。

これが「イランアメリカ大使館人質事件」です。

アルゴ2

■ベン・アフレックのフレッシュな演出
監督のベン・アフレックは俳優出身の映画監督では
神様イーストウッドの後継者と言われるほど高い評価を得いていますが
日本ではDVDスルーだったデビュー作の『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
2作目の『ザ・タウン』
と堂々とした演出ぶりでどちらも確かに素晴らしい作品でした。

イーストウッドの後継者との表現も大げさではないかもしれません。

本作では1970年代のニュース映像のようにあえて色調を落とした
画面に時折当時のニュース映像がスタンダードで差し込まれるといった
演出をとっていました。

アルゴ3

また編集とカメラワークが非常にスピーディーで
ただ人が座って話しているといったカットでも
パンニングとピン送りを上手くつかってスピード感を
損なわないようにしていました。

冒頭に取り入れているアニメーション技術
大使館襲撃前のドキュメンタリータッチな手法
終盤の飛行機と軍用車のチェイスも圧巻でした。

唯一、アップカットの配分が多すぎて観づらいなと
思ったくらいが難点といえば難点で120分の上映時間が
本当にあっという間でした。

全力でおすすめです!

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