時間軸をずらした映画

現実において時間は不可逆なもので巻き戻すことはできません。

映画や小説のような創作物でも基本時間は過去~現在~未来へと
順に進行していきます
が、時間を意図的に入れ替えた構成が評価を受ける作品も
数多くあります。

今日は時間軸をずらした映画です。 
■時間軸バラバラ系
時間軸を操る構成の天才Q・タランティーノの名を世界に知らしめた
デビュー作『レザボア・ドッグス』はこのジャンルの作品
ほぼすべての始祖ともいえるものです。
その構成をさらに進化させた『パルプ・フィクション』
時間軸を交差させた作品の最高傑作といっても過言では
ないかと思います。

心臓移植のドナーをめぐり
文字通り命の重さを問いかける鬱映画の『21グラム』
同じくアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
言葉の通じない遠く離れた国の人々が交差するこれまた
鬱映画のバベル
人種差別を描いた群像劇でもある『クラッシュ』
日本映画界の若き鬼才、内田けんじのアイデアが光るサスペンス
『運命じゃない人』『アフタースクール』
そしてTVドラマにも関わらず大胆な構成で話題を読んだ
人気シリーズ『相棒 eleven』の 第18話「BIRTHDAY」
といったあたりをここに含みました。

『レザボア・ドッグス』(Reservoir Dogs)
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『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction)
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『21グラム』(21 Grams)
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『クラッシュ』(Crash)
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バベル』(Babel)
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『運命じゃない人』(A Stranger of Mine)
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『アフタースクール』(After School)
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『相棒 eleven』(Buddy)
第18話「BIRTHDAY」

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■過去と現在を行ったり来たり
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
禁酒法時代から現在(80年代)を主人公たちの少年期・青年期・老年期
に分けて描いた近代アメリカ史を学べる一大叙事詩です。
この3つの時代を行ったり来たりしながらゆっくりと話しが進行していきます。
今回書いた作品の中で唯一『レザボア・ドッグス』以前に作られた作品です。

過去と現在フィクションとノンフィクション、
現実と妄想が入り混じる幻想的な『マルホランド・ドライブ』『千年女優』
タイムマシーンで過去と現在を
行ったり来たりする青春コメディ『サマータイムマシン・ブルース』
幸せだった恋人時代とささくれだった結婚後の現在を
行ったり来たりする超絶鬱恋愛映画の『ブルーバレンタイン』
といったところが上がります。

ちなみに上で紹介した「時間軸バラバラ系」と
こちらの枠は区別が結構あいまいなのですがこちらは
過去と現在という時間が観客に明示されているものに絞っています。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(Once Upon a Time in America)
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『マルホランド・ドライブ』(Mulholland Drive)
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『千年女優』(Millennium Actress)
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『サマータイムマシン・ブルース』(Summer Time Machine Blues)
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『ブルーバレンタイン』(Blue Valentine)
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■時間逆行系
こちらは文字通り時間が現在から過去に遡っていく
ものです。
10分間しか記憶が持たない探偵が妻を殺した犯人を追う
『メメント』は時間逆行の始祖とも言える作品で
斬新なギミックは当時大いに話題を呼びました。
一方フランスが生んだ変態監督ギャスパー・ノエの
『アレックス』は絶望的な現在から
幸せだった日々に逆行していく鬱構成と
残酷すぎるレイプシーンがトラウマになりかねない怪作です。

『メメント』(Memento)
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『アレックス』(Irréversible)
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叙述トリック
現在と過去の話が途中まで同じ時間軸で
あるかのように語るのが叙述トリックの常套手段です。
相性が良いのかなぜかラブストーリーが多い気がします。
ちなみに、下記の4作品はすべてラブストーリーです。

実は『いま、会いにゆきます』はちょっと叙述トリックとは違うのですが
他にあてはめる場所がなかったのでこうしました。
もうここまでいっただけでもネタばれなのでこれ以上は何も書きません。

『きみに読む物語』(The Notebook)
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『エターナル・サンシャイン』(Eternal Sunshine of the Spotless Mind)
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『いま、会いにゆきます』(Be With You)
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半分の月がのぼる空』(The skies of the rising half-moon)
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■同じ日を何度も
文字通り同じ日を何回も繰り返し描いたものです。

恋人を救うため20分で10万マルクを用意するミッションを
成功するまで巻き戻って繰り返す『ラン・ローラ・ラン』
同じ夏休みを何度も繰り変えす『涼宮ハルヒの憂鬱』
第12話-第19話「エンドレスエイト」
そして桐島が部活を辞めたことから変化する生徒たちの
数日を多角的に描いた桐島部活やめるってよの3本を挙げます。

この中では「エンドレスエイト」正直はしつこすぎだと思いましたし
あまり効果的だとも思わなかったのですが
桐島部活やめるってよ』ではある一日を多角的に描いて
伏線を張り巡らせていましたし
『ラン・ローラ・ラン』のコンテニュー可能という設定は
ゲーム世代の映画ファンの心をがっちりとらえたと思います。

『ラン・ローラ・ラン』(Lola rennt)
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『涼宮ハルヒの憂鬱』(The Melancholy of Haruhi Suzumiya)
第12話-第19話「エンドレスエイト」

涼宮ハルヒの憂鬱 第14話 「エンドレスエイト」

桐島部活やめるってよ』(The Kirishima Thing)
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関連エントリー
『ブルーバレンタインとウルトラセブンの関係』
『ラブストーリー私的 ベスト30』
『ゼロ年代ベスト』
『ゼロ年代ワースト映画』
『国産アニメ映画 オールタイムベスト50』

コメント

くそ映画学会 管理人様

はじめまして。紀平と申します。

私は現在「映画ベース」という映画のレビューサイトを開発しており、
是非映画に関心のある方からレビューの投稿や、
サイトをご利用頂いてのご意見やご感想などを頂ければと思っております。

「映画ベース」
http://kota.lolipop.jp/eigabase/


まだまだ立ち上げたばかりの未熟なサイトですが、
一度サイトにお越し頂き、
ご利用をご検討頂けますと幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

//----------
// 映画ベース
// http://kota.lolipop.jp/eigabase/
//
// 紀平 光太
// kihira@kota.lolipop.jp
//----------
2013/ 04/ 24( 水) 13: 27: 24| URL| 紀平 光太# -[ 編集 ]
 
時間軸変化形は良作が多いですよねー
2013/ 06/ 12( 水) 09: 54: 54| URL| CUBE# -[ 編集 ]
 

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