良質なエンタメ映画『真夏の方程式』—感想・レビュー

■個人的評価 78/100点
安定した高クオリティのエンタメ作品


真夏の方程式1

■あらすじ
手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、
その説明会に招かれた湯川は、宿泊先の旅館「緑岩荘」でひとりの少年・恭平と出会う。
やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、
遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の刑事・塚原だということがわかる。
地元警察は塚原の死を転落死として処理しようとするが、現地入りした捜査一課の岸谷美砂は、
塚原の死に不可解な点があることに気づき、湯川に事件解決への協力を依頼する。 
自主制作の方で多忙を極めていたため
本当に久しぶりにレビューを書きました。
過去ログを見てみたら2月に「ゼロ・ダーク・サーティ」
を書いてから全く書いていなかったことに気が付き少々驚きです。

なんか今更な気もするのですが今日は公開中のヒット作
真夏の方程式」です。
客入りは非常によくほぼ満員でした。

■くどい
点数を見ればわかると思いますが概ねこの手の
TV局主導なエンタメ作品の中では非常にいい出来なので
あんまり悪くいうことがありません。
なので最初に欠点だけ言っておくと、終盤の泣かせがくどいです。

普通に泣かせに来てるとこなので常套手段ではあるでしょうが
こういうくどさが近年の日本映画にやけに尺が長い映画が多い
理由なのではないかと思いました。

真夏の方程式

■これはドラマじゃなくて映画
重要な点としてドラマの演出を踏襲していない
というのがあります。

前作「容疑者Xの献身」でもドラマ版の
数式書いたりとか、ただうっとおしいだけの馬鹿キャラ栗林さんと
どう見ても偏差値がFランク大学なみの知性を見せてくれる
湯川研究室の学生たちが出てこないおかげで画面が締まって見えます。

また本作は物語を容疑者一家・湯川先生・容疑者一家の甥っ子
に絞りドラマ版で散々視聴者をイラつかせた岸谷刑事が
情報整理をするパズルのピースに徹していたために
謎解き以上に犯人の動機にフォーカスしたなかなか良質な人間ドラマに
なりました。

ちょっと犯行動機に弱いところがあるし
人間を善きものとしすぎな気もしましたが
泣いてるお客さんも結構いたのでとりあえず正解なんだと思います。

■西谷監督はすごい
監督の西谷弘さんは前作「容疑者Xの献身」
でもメガホンを取っていたフジテレビの大作専門監督です。
今まで「県庁の星」や「アマルフィ」といった
珍作も多く送り出してきましたがこの辺りは監督のせいというか
企画自体がどうしようもないのでとりあえず置いておいて
企画さえまともならメジャー感たっぷりに仕上げられる
職人気質な方だと思います。

昨今の映画監督は現場叩き上げのシステムが崩壊したために
低予算なインディーの出身者が非常に多いですが
そんな中で西谷監督は特機の使い方を心得た商業映画らしい
商業映画を作れる数少ない人材です。

それでいて演出には海外作品のトレンドを取り入れた
フレッシュさもあり、本作でも俯瞰ショットに入れ方だとか
マルチカットと手持ちの使い方は海外TVドラマのセンスを感じさせるものでした。

真夏の方程式3

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