映画である必要がない『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』—感想・レビュー

■個人的評価 25/100点
OVAでいいじゃん……
あの花1

■あらすじ

宿海仁太(じんたん)、本間芽衣子(めんま)、安城鳴子(あなる)、
松雪集(ゆきあつ)、鶴見知利子(つるこ)、久川鉄道(ぽっぽ)の小学生6人は大の仲良しで、
「超平和バスターズ」と名乗り、秘密基地に集まって遊ぶ楽しい日々を過ごしていた。
しかし、ある夏の日、芽衣子が事故で亡くなり、残された5人の心は離れ離れになってしまう。
時は流れ、高校1年生になった仁太の前に、死んだはずの芽衣子が成長した姿で現れる。
その姿は仁太にしか見えず、芽衣子は超平和バスターズのみんなに願いをかなえてほしいと言うが、
その願いが何であるのか芽衣子自身も思い出すことができない。
離れ離れになっていた超平和バスターズは、このことをきっかけに再び集い、
芽衣子の願いをかなえようとするが……。 
■『あの花』について
本作はTVアニメとして2011年にフジテレビの深夜、ノイタミナ枠で
放送された同名作品の映画版です。

当時僕もかなりはまりまして毎週ほぼリアルタイムで鑑賞していました。

この企画は今時珍しい完全オリジナル作品で
一人の少年が幼い頃の悲劇がきっかけで道を踏み外し
鬱屈とした高校生活を送っていたところに
原因となった少女が成長した姿で現れ、それをきっかけに
立ち上がり自分なりに前に進んでいく
良く出来た青春ファンタジーでした。

あの花3

■映画じゃなくてただの総集編
本作はそもそも映画として評価すること自体が
間違っているのかもしれません。

なぜなら実を言うと僕は内容が、
こういったダイジェストストーリーと知っていたら
観るつもりがなかったからです。
もちろん総集編に過ぎないことを特に批判するつもりもありません。

というのはこういうヒットしたTVアニメのダイジェスト版を
劇場公開するというのはよくある話で
ターゲットが明確である以上、収益も計算しやすいからです。

マーケティングとしては間違っていませんし
それでも劇場に足を運び、特典グッズを買い漁るファンが
いるからこそアニメ業界は成り立っているのだと思うからです。

前置きが長くなりましたが
前情報で僕はTVアニメを回想として挟んで
「超平和バスターズ」の5人のその後が中心として進んでいくものと
勘違いしたまま期待して観に行ってしまいました。

ところが新作カットは全編の3分の1程度
大半がTVアニメからの焼き直しでした。

ちょっと本編のカットの仕方もいただけないように思えました。

本編は鬱屈した生活を送る主人公・仁太と
幼いころの出来事がきっかけでギクシャクし
疎遠になってしまった幼なじみの4人が
芽衣子を成仏させるために集まり元の仲良しになっていくまでを
細かな心理描写を挟みながら丁寧に描いていたもので
地味な心理描写があったからこそ、ゆきあつがペルソナを脱ぎ捨てるところや
みんなでロケット花火を打ち上げる開放感がカタルシスになったわけです。

ところが総集編では細かい心理描写がほぼカットされ
始終みんなが叫んだり泣いたりしているカットばかりで
少々胸焼けがしました。

現在TBSで放送されている人気ドラマ「半沢直樹」の
ような過剰演出をを大スクリーンで100分弱
それもノンストップで観るのはかなりしんどい気分でした。

あの花2

■まとめ
というわけで本当に「あの花」の熱心なファンでなければ
あまりおすすめできる作品ではありません。
逆にそうじゃない人が観に行くとも思えませんが一応。

僕が鑑賞した回は平日の昼間でしたがそこそこ埋まってました。

客層の8割が絵に描いたようなオタクの方々で
劇場内にそこはかとない真夏のコミケ会場のような
異臭が漂っていました。

おしゃれしろとは言わないけど
公共の場なんだから風呂ぐらい入りましょうよ……。

余談になりますが僕のとなりに座っていた
そこはかとなく腐女子感を漂わせる女性は
5分に一回のスパンで泣いていました。

あんなに水分を失って大丈夫なのだろうかと
心配しつつもこれだけ1本のタイトルに愛情を注げる姿勢に
感服した次第です。


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本編は2011年最高のアニメの1本だと思っています。

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