『抱きしめたい -真実の物語-』—感想・レビュー

■個人的評価 68/100
…完全に予想を裏切られた!(良い意味で)

抱きしめたい1

■あらすじ
活発でスポーツが得意な女性・つかさは、高校時代に遭遇した交通事故がもとで
左半身が不自由となり車椅子での生活を送っていた。

また、事故の後遺症による記憶障害で、覚えたことをすぐに忘れてしまう。
それでも前向きに生きるつかさはある日、
ごく平凡で笑顔が魅力的なタクシードライバー・雅己と出会って、恋に落ちる。
互いに惹かれ合う2人はさまざまな困難を乗り越えてやがて結婚を決意、
つかさのお腹には小さな命が宿る。

しかし、この幸せが永遠に続けばいいのにと願う2人を待ち受けるのは、
過酷な運命だった。 

■予告編と本編のテイストが全然違う!

ジャニーズとアイドル女優が主演で難病ものでラブストーリーで
と私のようなひねた人間からすると完全に「……ハン!」
みたいな企画で鑑賞前から全く内容に期待していなかったのですが。

いやー、観てみないと分かんない物ですね!

柱に書きましたが予告編のテイストと本編のテイストが
全然違います。

予告編では結婚を巡ってパパと錦戸くんがマジゲンカしたり
錦戸君が雪に顔を埋めて号泣してたりと
2000年代に散々作られた安っぽい泣かせにかかる
お涙頂戴の悲恋ものなテイストになっていますが
予告編のカットの切り取り方が悪質で作為的になっているだけで
多分塩田監督の意向を全く反映していません。

興行的な配慮で制作会社の意向が強く反映されたものと
思いますが、いくらなんでも悪質すぎます。
本編見終わった後に予告編を見たら怒りが込み上げてきました。

抱きしめたい3

■お涙頂戴のメロドラマじゃなくて本当はラブコメだった。

上にも書きましたが本作では結婚を巡ってパパとマジゲンカしたりとか
錦戸くんが昔の女と会っているところを北川さんが目撃しちゃったりとか
安いメロドラマのフォーマット通りのシーンがいくつかあります。

あるんですが、そういったありがちなシーンを全部
ギャグとして描写しています。

「あー、またこれかよ」とうんざりした気分で見ていると
それをことごとく裏切ってくるわけです。

また障害についての描写も決しておざなりにはしていなく
ラブコメ描写が続くなかに
ヒロインが事故にあった後のリハビリ描写が
かなり長い割合で挟まれていて
ただの奇麗ごとで済ませない塩田監督の真摯な姿勢が
垣間みれて好印象でした。

演技のパフォーマンスも思いのほか良かったです。

錦戸くんがこんな良い俳優だとは思いませんでした。
また北川さんは全く上手い印象が無く
冒頭の方ではやはり今回も全く良い印象を持たなかったのですが
観ているうちに不思議と上手く見えてくる
演出マジックに感嘆しました。

抱きしめたい2

カメラワークやライティングといった技術的な
部分では印象に残る物がなかったのですが
広めのサイズで人物がぎっちり詰まったフィックスの長回しが
随所に用いられており芝居を見せるという方針は
成功していたと思います。

泣かせにかかるところもあったのですが
泣き顔を延々と映すようなやり方はしていなくて
湿っぽくなりすぎないようにヒキのバックショットなんかで
処理して演出過剰にしないような配慮がされていたのも好印象です。

そのお陰で観賞後の余韻が残るものとなりました。

本作は傑作とまでは言えないかもしれませんが
難病物の日本映画では数少ない真摯で良心的な佳作になっています。

大事な事なのでもう一回言いますが
本当に観てみないと分からない物ですね!


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