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『エージェント:ライアン』—感想・レビュー

■個人的評価 60/100
結局最後は力技

エージェント-ライアン1

■あらすじ
ウォール街にある投資銀行のコンプライアンスと
経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリストという、
二つの顔を持つジャック・ライアン(クリス・パイン)。

ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きをキャッチし、
上官ハーパー(ケヴィン・コスナー)にエージェントの現地派遣を要請する。
しかし、彼から返ってきたのはライアン自身による調査命令だった。

チェレヴィン・グループへの監査を装ってモスクワへと飛んだライアンだが、
そんな彼に同グループの警護員が襲い掛かってくる。

※以下、ネタバレを含む内容となっていますのでそれでも良い方はご覧下さい。 

■CIAは何をしていた?

本作はトム・クランシー原作のベストセラー「ジャック・ライアン」シリーズの
リブート企画です。
興行的にも批評的にも成功した『レッド・オクトーバーを追え!』など
旧シリーズと違い、本作はオリジナルストーリーとなっています。

原題の『 Ryan: Shadow Recruit』
の通りエピソード0的な位置づけでライアンが
CIAの工作員となっていくまでのストーリーとなっています。

さて、CIAはその秘密主義から多くの情報は公開してはいませんが
運転免許証を持ち、視力、聴力、健康状態が良好で、世界中にあるCIA海外支局での勤務が可能な、
23歳から35歳までの米国市民なら誰でも応募することが可能としています。

ですが「IQ王国」と言われるほどその採用基準は厳しく
CIA局員の平均IQは全米の平均IQを20ポイントほど上回っているそうです。

本作の主人公、ライアンは最初は後方支援のアナリストでしたが
劇中にエージェントとしての活動を開始します。

エージェント-ライアン4

CIA諜報員の区分は
ケースオフィサー(海外での秘密情報収集・工作活動を行う。いわゆる一般的にイメージされるスパイ)
レポートオフィサー(ケースオフィサーから受け取った情報を特別の書式にしてラングレー本部に送る)
コミュニケーションオフィサー(ラングレー本部と海外支局間の情報通信用の暗号作成を行う)
カウンターインテリジェンスオフィサー(外国のスパイ活動に対する防諜活動を行う)
アナリスト(収集された情報をもとに分析を行う)

に分かれているそうなので
ライアンは劇中にケースオフィサーになったということになります。

このあたりのことは
『シリアナ』

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ジョージ・クルーニー、マット・デイモン 他

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として映画化もされた元CIAの中東担当ケースオフィサー、ロバート・ベアの著書
『CIAは何をしていた?』

CIAは何をしていた? (新潮文庫)CIAは何をしていた? (新潮文庫)
(2005/12)
ロバート ベア

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が詳しいです。

『CIAは何をしていた?』はCIAの体質を批判した告発文のような内容になっています。
情報の種類はヒューミント(ヒューマン・インテリジェンスの略。ケースオフィサー達人間が収集してきた情報)
とシギント・イミント(シグナル・インテリジェンス、イメージ・インテリジェンスの略。通信傍受や衛生写真などのハイテク装置によって収集された情報)
に大別されていますが、ソビエト連邦崩壊後のヒューミントの軽視が重大な危機を引き起こす可能性について
著書では指摘されていました。

エージェント-ライアン2

■アメリカがデフォルトする危機

今回のCIAの敵はロシアです。
米国内に潜伏しているロシアの工作員がウォール街でテロを起こし
その直後にロシアが保有しているドル(この辺がよくわからないのですがドルというかドル建て米国債のことだと理解しています)を一気に売って米ドルの価値を暴落させてアメリカを破綻させるというのが
事件の全容でした。

ドル建て米国債とは何かといえばそれはアメリカそのものです。

ちなみに世界最大の保有国は日本です。
日本と中国が入れ替わりその座にずっといます。

リーマンショック以降アメリカがデフォルトする危険性は
ずっと示唆されてきましたが
日本と中国の買い支えによって延命されているようなものです。

最新の情報がちょっとわからないのですが
2012年の時点では中国がトップで2013年に日本が5兆円の追加購入をして
ランキングが入れ替わりました。

ちなみに保有金額で言うと
日本と中国は1兆ドル(今のレートだと100兆円くらいですかね)を超えていて
この金額は3位以下のカリブ・バンキングセンター(中米カリブ海諸国の金融機関)
UAE・カタールなどの石油輸出国、ブラジル、台湾などを合わせた金額よりもなお大きいです。

ちなみにロシアは9位で1600億ドルと日本と中国に遠く及びません。

つまり何が言いたいのかというと
日本と中国によって延命されているアメリカが
ロシアに保有米国債を売り払われたところで大勢に影響ないんじゃないですかね?
ということです。

ウォール街でテロって言っても一時は混乱が起きるでしょうが
犯人探しの上に報復で戦争が起きて、戦時景気で軍需産業が潤って
かえって景気回復になるのではとも思いましたが浅はかな考えでしょうか?

とかなんとか書きましたが
私はちょっと株と為替をかじってた経験があるくらいの知識しかないので
もっと詳しい方がいたら是非解説していただきたいところです。
あと、明らかに間違っているところがあったらご指摘ください。

エージェント-ライアン3

■最後は力技

既にCIAと経済の話で長文になってしまいましたが本編について
ちょっとだけ書きます。

こんな前提知識だけでこれだけの文章になってしまう通り
本作は大量の情報が交差する知的サスペンスの様相を呈しています。
中盤までは。

ライアンがCIAにスカウトされるところなんて
本当にこの通りなんだろうなと思わせるリアルさがあるんですよ。

本当に面白いんですよ、中盤までは。

なんですが、ライアンが婚約者(キーラ・ナイトレイ)にあっさりとCIAに勤めていることを
明かしてしまったり、あまつさえ成り行きで任務に部外者である彼女を参加させたりと
「軽っ!」と思ってしまう展開が続き
最後には爆弾を積んだ車をテロリストごと河に突っ込ませて解決という力技に
なんかこれじゃない感を感じてしまいました。

まるで『ユージュアル・サスペクツ』だと思って観に行ったら
出てきたのが『スピード』だったみたいな。

ああ、そういえば劇中でライアンがCIAの局員に劇場で
情報を渡すシーンがありましたが、流れていたのは
『私は殺される(Sorry, Wrong Number)』

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バーバラ・スタンウィック

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でしたね。

どういう意味があるのかはよく分かりませんでしたが
監督のアナトール・リトヴァクは旧ソビエト連邦のウクライナ出身なのと
狙われていたのは実は自分だったという内容がリンクしているからなのでしょうか。

というわけでなんかこれじゃない感は感じましたが
展開のチグハグさを許容できれば普通に楽しくみられるそこそこの良作だと思います。
おすすめです。

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コメント

面白く読ませていただきました。<(_ _)>
もっとコメントしてください!
2014/ 02/ 20( 木) 16: 05: 21| URL| マサじい# -[ 編集 ]
 
ありがとうございます。
はい、すみません。
努力します。
> 面白く読ませていただきました。<(_ _)>
> もっとコメントしてください!
2014/ 02/ 21( 金) 20: 44: 39| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 

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