『魔女の宅急便』ー感想・レビュー

■個人的評価 43/100
悪くない……けど、良くもない。

魔女の宅急便1

■あらすじ
13歳になった魔女の血を引く少女キキは、掟に従い、
一人前の魔女になるため修行の旅に出る。

黒猫ジジと一緒にほうきに乗って旅立った彼女は、やがてたどり着いた海辺の町コリコで、
パン屋のおソノのもとに居候することに。

そこで空飛ぶお届けもの屋「魔女の宅急便」を始めたキキだったが……。

※後半に少しネタバレがありますのでご了承ください。 

■お前に頼むなら、佐○かヤ○トか日○郵便に頼むわ!

今日は日本映画に毎年何本かある、なぜか通ってしまった
冗談のような企画の代表例です。

魔女の宅急便』はすでに
宮崎駿監督の日本アニメーション界における歴史的傑作が
ありますが、出来については当然全く比較になりません。
ですが、単体の作品としてみればそんなに悪い出来でもない
と思います。

宮崎駿版に対してより原作に忠実な脚色を施したとのとおり
終盤の展開を除けば特に破綻しているところはありませんし
清水監督のエンターテインメントを意識したメジャー感にあふれる
演出も良かったと思います。

なのですがどうしてもビジュアルに乗れないんです。

キキが修業期間をすごすことになる町は
「東洋のどこかの町」
という設定になっているのですが
空撮ショットで見える風景が明らか日本なんです。

私はこのカットを見て思いました。
「え……東洋のどこかっていうかこれ館山か伊豆あたりだろ?
(※正解は瀬戸内海の小豆島でした)

風景が現代日本感に溢れすぎてて
このファンタジーの世界がどうしても受け入れられないんです。

四国の離島で日本人が「あ、魔女だ!」とか「呪いだ!」
とか言ってるのがすごく間抜けに見えるんです。
だからキキがお届けもの屋を始めるところでも私は
「お前に頼むなら、佐○かヤ○トか日○郵便に頼むわ!
お前荷物雑に扱うし。西○運輸かよ!」

とか思ってしまいました。

魔女の宅急便2

■終盤の展開が破綻している

ここからはネタばれになりますのでご了承ください。

展開に特に破綻はない、と書いたのですが
終盤の展開には必然性がありません。

病気になったカバを嵐の中キキが離れ小島にいる
獣医の先生のもとに届けるのが
本作のクライマックスになります。

ですがこの展開には必然性を感じません。

嵐の中での海上移動は海からだろうと空からだろうと
危険なことにかわりはないはずです。
というか最初はカバの飼育員が自分で運ぼうとするのですが
園長はそれを制してキキに運ばせます。

自分の部下は犠牲にできないけど
他人の少女なら死んでも良いということでしょうか。

ていうかお前ら児童虐待だぞ!!

そもそもそんなに深刻な病気でもなかったみたいだし
天候が回復してから行けばよかったんじゃないですか?

また本作は全体を通してどうしても好きになれないところが
もうひとつあり、それは
演技が大袈裟すぎるということです。

これは日本映画の本当に悪いところだと思うのですが
ファンタジーだからとか、コミックが原作だから
とかの理由でオーバーアクトにするのはやめてもらいたいところです。

だからといって必要以上に抑えた芝居をする必要はないですが
むしろ荒唐無稽な話だからこそ
加減には注意をはらうべきだと思います。

本作の後にコミック原作の『銀の匙』を見ましたが
必要以上の芝居っけは避けて作られており
想像以上の良作ぶりでした。

魔女の宅急便3

■まとめ

とかなんとか悪いことばかり書きましたが
外注したみたいですがCGはかなり頑張ってますし
演出も適度にケレン味があってなかなか楽しいです。

ビジュアルのこれじゃない感が許容できれば
終盤以外特に話にも破綻はなく
少女のイニシエーションストーリーとして
普通に楽しめるんじゃないでしょうか。

おすすめです。

小豆島が舞台の日本映画史に残る歴史的傑作。

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