夏真っ盛り国産オカルトホラー映画の系譜

久しぶりに連投します。管理人です。

夏です。本当に暑い日が続いてますね。
夏と言えば怖い話ということで今日はホラー映画についてです。
そのなかでもとりわけ90年代から2000年代に隆盛を誇った
日本独自のスタイルのホラー映画(いわゆるJホラー)、特に国産オカルトホラーに絞った記事になります。
稲川淳二
 

ホラーとオカルトホラーの違い。

オカルトホラーとは人知を超えた存在、とりわけ幽霊・亡霊の類
を扱ったもの、存在を匂わせている物と定義しています。
なのでサイコホラー映画にジャンルされる
『CURE』(1997・黒沢清)
CURE1
『オーディション』(1999・三池崇史)オーディション
『黒い家』(1999・森田芳光)
黒い家
などは含めていません。

でもどれもお勧めです。

■1990年代以前

『雨月物語』(1953・溝口健二)雨月物語1
『東海道四谷怪談』(1959・中川信夫)東海道四谷怪談
『怪談』(1965・小林正樹)怪談1

最初に90年代以前の古典的作品について3作をあげておきます。
いずれも歴史の授業で習う古典、上田秋成に小泉八雲の怪異小説
鶴屋南北の歌舞伎狂言を基にした作品です。

また、いずれも日本映画の全盛期に作られた作品であり
海外でも非常に高い評価を受けていますが
怖さや分かりやすい面白さを求めて観る作品ではありません。
合宿の夜とかに皆で観ると盛り上がるどころか
安らかな眠りに誘われることになりますのでご注意ください。

趣旨とは外れますが日本映画の歴史の中で重要な位置を占めているのは
間違いありませんので紹介しました。

■1990年代〜

『女優霊』(1996・中田秀夫)女優霊
オカルトホラーのさきがけ、ブーム前夜の意欲作。


「姿は見えないけど、何かがいる」
という婉曲的な恐怖表現を新世代のホラー手法として
先どった新世代日本式ホラーのはしり的作品。
アナクロな手法の特殊効果が逆に新しく感じられる本作から
中田監督は新世代ホラー監督の旗手となりました。

『リング』(1998・中田秀夫)リング1
ブームの火付け役にして最高傑作。


鈴木光司原作のベストセラー作の映像化。

ミステリー要素の強かった原作を大胆に脚色し
あの悪名高い貞子這いずり出しカットも含めて
一級のエンタメ作に仕上げた90年代日本を代表するジャンル映画の最高傑作。

その後貞子はホラー映画のアイコン的存在になり
どんどん後続作品は低偏差値化。
合唱。

『学校の怪談4』(1999・平山秀幸)学校の怪談4
3作目までとはまるで違うテイストの異色作。


1作目〜3作目が学校の怪談という都市伝説を基にした
子供向けジュブナイル映画だったのから一転
海の底に沈んだ学校を舞台にした怪異ホラーへの大胆な転換を試みた作品となりました。

私にとってシリーズ1作目の『学校の怪談』は生涯最高の作品であり
公開当時はあまりの変わりぶりから受け入れ難いものがありましたが
1本の映画としてみるとこれがなかなか。

今回紹介したものの中では恐怖より悲哀やノスタルジーといった
ドラマに重きを置いている物になっているので
怖いのが苦手な方でも安心して楽しむことができそうです。

『死国』(1999・長崎俊一)死国
おどろおどろしいメロドラマ。


四国八十八ヶ所の霊場に纏わる「逆打ち」という
死者を蘇らせる禁断の儀式を題材にしたメロドラマ。
映画の内容よりも栗山千明が今や発禁処分のヌード写真集を出してたことや
今は亡き名撮影監督・篠田昇による幻想的な映像が印象的で作品的に地味さは否めません。

『回路』(2001・黒沢清)回路1
幽霊にデジタルの要素を取り入れた意欲作。


90年代に『CURE』で日本でもサイコホラー映画が作れる事を証明してみせた
黒沢監督ですが、デジタルと亡霊を掛け合わせた本作で
オカルトホラーの世界にも新たな道を拓きました。

ウェブサイトを通じて幽霊が世界を浸食し始めるという内容ですが
その終末的で退廃的な世界観は当時山ほど作られていた
国産ホラー映画のなかでも異彩を放っていました。

『仄暗い水の底から』(2002・中田秀夫)仄暗い水の底から
地味ながらドラマ性の高い1本。


『リング』でJホラー(だっさいなあ、この名前)ブームの火付け役となった
鈴木光司原作短編集の映像化作。

私は個人的にこの2000年代前半ごろをJホラーブームの終焉期と定義付けているのですが
それはこの頃になると散々似たようなオカルトホラー作が粗製乱造されたためか
客から飽きられ興行的に苦しむ作品が増えてきたからです。

本作もまた興行的には明らかに失敗に終わりましたが
個人的には恐怖映画ではなく親子の情愛を前面に押し出した
地味ながら手堅い作りの中々の佳作ではないかと思っています。

『呪怨』(2003・清水崇)呪怨2003
Jホラーを終焉に近付けた功罪併せ持つ1本。


貞子に続く伽椰子と俊雄というホラー映画のアイコンを生み出した
Jホラー終わりの始まりの1本。

『リング』と共に長きにわたってシリーズ化され
名前くらいは誰でも知っている『呪怨』。

低予算ビデオ作から全国公開のメジャータイトルにまで
一気に昇りつめた作品ですが
この映画のショッキング描写はこれまでのJホラー映画の作りを
ある種否定するようなものでした。

『呪怨』の影響からか、以降日本のオカルトホラー映画は恐ろしく安直な表現を多用することが増えたため
私は本作をJホラー終焉の口火を切った作品と定義付けています。

今日はここまでです。
最後までお読みいただいてありがとうございました。

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