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水嶋ヒロの『KAGEROU』を読んでみた

たまには時事ネタを。

水嶋ヒロさんのデビュー作として話題を読んでいる
『KAGEROU』を早速読んでみました。

kagerou.jpg 
■宣伝文との激しいギャップ

まず驚いたのが宣伝で紹介されたあらすじから受けるイメージと
作品から受けるイメージに大きなギャップがあるということです。

以下はポプラ社の宣伝文です。

第5回ポプラ社小説大賞受賞作。

『KAGEROU』――儚く不確かなもの。
廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。
「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。
そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。
命の十字路で二人は、ある契約を交わす。
肉体と魂を分かつものとは何か? 人を人たらしめているものは何か?
深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。
そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、
かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。
水嶋ヒロの処女作、
哀切かつ峻烈な「命」の物語。


この文から私はシリアスでちょっと中学生あたりが考えそうな
終末的ビジョンを持ったライトノベルというようなイメージを持っていました。

実際には全体的にコメディタッチな作風であり
「命の価値を考える」という重いテーマでありながら非常にポップで
読みやすい作品になっていました。

1ページあたりの文字数も非常に少なく(悪く言うとスカスカ)
で私は全部読むのに30分もかかりませんでした。

以下は感想です。

■この小説の良いところ

読みやすさ。
上述しましたが、非常に読みやすいです。
会話文が中心ですので、テンポよくサクサクと読んでいけます。
会話のセンスも悪く無いです。

ストーリー展開がシンプルで分かりやすい。
展開がシンプルで余計なところにとらわれないですみます。
登場人物が少ないのもその一因になっていると思います。
ただしそれは裏を返せば世界観に広がりが無いということでもあります。

■この小説の難点

コメディタッチなのに少しも笑えない。

主人公は40歳の男です。
40歳という年齢を思わせないほどに軽いキャラなのですが
彼の発するオヤジギャグが少しも笑えません。
でもオヤジギャグ自体は一応伏線になっています。
ちょっとそこも微妙なんですけど。

圧倒的な人物造形のヘタクソさ。

まず主人公が中年である必然性が全くありません。
軽いキャラクターで、むしろ20代と言われた方がしっくり来ます。
ただ、オヤジギャグを言わせたかっただけとしか思えません。

また、ヒロインのキャラクターは類型的で面白みがありません。
病弱な美少女(20なんで少女といえるかわかりませんが)で
偶然の出会いから主人公に好感を持ちますが
主人公になぜ好感を持ったのかは描かれません。
儚げで美しくて病弱で素直な性格という
都合の良すぎるキャラクター像はまるで童貞の妄想です。

ただ水嶋ヒロさんのような人でもこんな女性が好きなんだなあ
と考えると、何だか親近感を感じてしまいました。
が、それは作品の評価とは全く関係ありません。

不条理なラスト。
ネタバレになってしまうので内容は省きますが
主人公に自殺を思いとどまらせた男は最後に不条理な目にあいます。
主人公にとってはハッピーエンドとも言えるのですが
「そんな終わり方アリかよ?」というのが率直な感想です。

それとこの男が作中の登場人物で一番いいヤツっぽいので
余計に納得がいきません。

こういうのを世間では自己中と言います。

■まとめ
「命の価値」がテーマだったはずなのにえらく軽いなあという印象です。
現にまだ読み終えて1時間たっていませんが、もはや内容を忘れつつあります。

読み物としては普通に楽しく読めます。
が、これが大賞しかも3回連続で大賞無しの文学賞で獲得
と言われると賞自体の公平性を疑ってしまいます。
他に本気で小説家を目指していた人たちが可哀想でないかと。。

最初から水嶋ヒロさんの名前ありきで、
このような経緯を経ずに出版されればもっと良かったのですが。

なんだか批判的になってしまいましたが
特に作品自体には悪い感情はありません。
いい感情もないですけど。

水嶋ヒロさんにはこれからも頑張っていただきたいです。

今日はこんなところで。

Amazonのレビューでは酷評されているようですね。
そこまで言うほどではないと思うのですが。

KAGEROUKAGEROU
(2010/12/15)
齋藤智裕

商品詳細を見る


コメント

オレも読みました!
読みやすくってスラスラ読めるけど、たいして面白くなかったわ。
神谷さんのご指摘通りの内容でしたな。
主人公が40歳の中年である必要は全くなかったね。笑
2010/ 12/ 16( 木) 22: 19: 14| URL| あづち# -[ 編集 ]
 
> オレも読みました!
> 読みやすくってスラスラ読めるけど、たいして面白くなかったわ。
> 神谷さんのご指摘通りの内容でしたな。
> 主人公が40歳の中年である必要は全くなかったね。笑
こんばんは。
なんかね
"人生は手持ちのカードで勝負するしかない"っていう言葉を思い出したよ。
来週あたりにはブックオフにならんでそうですね。
2010/ 12/ 16( 木) 23: 27: 06| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 
紙飛行機がいっぱい作れるのを考えると安いかな?いや高いかな?
2010/ 12/ 18( 土) 19: 36: 57| URL| BlueNote# -[ 編集 ]
 
> 紙飛行機がいっぱい作れるのを考えると安いかな?いや高いかな?
紙飛行機にするなら高すぎですよねww
2010/ 12/ 18( 土) 20: 26: 26| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 

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