こんな企画はやめてくれ。『涙そうそう』『未来予想図』『ハナミズキ』 J-POPをモチーフにした映画。

今年「ハナミズキ」がスマッシュヒットしたのは記憶に
新しいです。
そんなわけでJ-POPをモチーフにした映画について書いてみます。

批判的な記事になってしまったので
誤解の無いように言っておきますが
J-POPが嫌いで単純にJ-POPを貶めたいとか
そういう意図は全くありません。
涙そうそう」も「未来予想図」も「ハナミズキ
も曲自体は好きです。
i-tuneにも入れてますし。

でもこの3本は
正直出来がかなり微妙だと思いますので。
Jポップ
 
※完全にネタバレしているのでその旨ご了承下さい。

涙そうそう』 2006(日)
涙そうそう

■モチーフになった曲
涙そうそう」(作詞:森山良子・作曲:BEGIN)
涙そうそう夏川りみ

■あらすじ
沖縄県那覇市で自分の店を持つことを夢見て、
市内の市場や居酒屋で必死に働く新垣洋太郎。
ある日、高校に合格した洋太郎の妹・新垣カオル
が離島から那覇にやってきた。
2人は幼い頃、母親を病気で亡くし、親戚のもとで育った。

■感想
1970年代の大映ドラマ
を彷彿とさせる超展開がこの映画の見所です。

冒頭にお母さん役の小泉今日子が手首がパタッとなって
スローモーションというカビの生えた演出で死にます。
その10数年後に舞台が移って、
沖縄の美しい風景、そこで働く爽やかな妻夫木くん
かわいい長澤まさみちゃんを15分くらいでサクサクッと紹介します。
ここまではいいです(良くもないんですけど)。
しかしその後の展開にはびっくり。

手首かパタッとなってスローモーション。

涙そうそうネタ

妻夫木くん、念願だったお店を出す。
実は土地を提供してくれた人(船越英一郎)が詐欺師だった。
もちろん船越英一郎が「ま~だ事件は終わっちゃいませんぜ!」
とか言ったりはしません。

お店取り壊される。
妻夫木くん、彼女の麻生久美子(きれいです)と
「身分違いだから」といって別れる。
でました、悲劇の乱れ打ち!
まさに不幸のデフレスパイラルです。

かわいいです。
かおる

妻夫木くん「なんくるないさー」といって頑張る。
詐欺師についてはその後全く触れられず。
まさみちゃん、クズおやじと偶然再会。
それを知った妻夫木くん、クズおやじとケンカ。
いい年こいた大人のマジゲンカ。
まさみちゃん家を出て行く。
嵐が来る。
妻夫木くん、嵐の中まさみちゃんを助けに行く。
まさみちゃん感謝。
妻夫木くん咳き込む。
妻夫木くん突然死ぬ(スローモーションになって心電図がピー)。
まさみちゃん泣く。
終わり

ね、なんだかすごいでしょ!
「まさかそれだけは無いよね?」
というのを全部やってくれています。

この合間合間に、にいにいの泣き顔が
サブリミナル効果のように挟まれるため
途中から妻夫木くんの泣き顔に殺意すら感じました。

すぐに泣かないの!
男の子でしょ!

にいにい泣く

■良いところ
沖縄の景色と素朴な人々という背景は素晴らしいです。
妻夫木くんも長澤まさみちゃんもとても綺麗に撮れていました。
アイドル映画なのそれでいいのではないか
という気がしてきました。

ロケ地。にいにいの店。旧コザ市。
涙そうそう旧コザ市

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(2007/03/23)
妻夫木聡、長澤まさみ 他

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未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』 2007(日)
未来予想図タイトル

■モチーフになった曲
未来予想図」「未来予想図Ⅱ」(作詞・作曲:吉田美和、編曲:中村正人)
未来予想図ドリカム

■あらすじ
商社に勤める普通のOL・宮本さやか。
建築家ガウディに憧れ、建築設計事務所に勤める、さやかの恋人・慶太。
夢を追い続ける慶太の直向さに後押しされ、
さやかは自分も夢だった雑誌編集者への転職を図る。
そして、ある出版社への採用が決まるが、
それと同時に慶太にスペインへの赴任が打診される。
別々の道を歩き始める2人の未来予想図は…。

■感想
えーと、これは本当にすごいです。
上で紹介した『涙そうそう』を超えるすごさです。
『涙そうそう』はまだ泣ける映画のフォーマットを
抑えようとしていましたが本作はそれすら放棄しています。

ヘルメットはちゃんとぶつけます。
ご安心を!

未来予想図ヘルメット

まずヒロインに全く共感できません。
彼氏の夢のために無理やりな口実を付けて振ったかと思うと直後に後悔、
夢だった編集者に転職するも、
三十路が近づいてくると「この仕事やめちゃおっかな…」
などとほざき始めます。
人間の行動が必ずしも合理的とは限りませんが、
このヒロインの行動は
全く・ただの・少しも合理的ではありません。
またキャストの演技がびっくりするほど下手で、
その中でも特に彼氏役を演じた
竹財輝之助君のダイコンっぷりはずば抜けています。
「演技が下手」の意味が分からない人は
この映画を見ればその意味がわかるはずです。

ふられた直後がこれ。
虚無の表情。

未来予想図ネタ

演技と言えば編集長役を演じた石黒賢さんも凄かったです。
一部の隙もないパーフェクトな気持ち悪さ!
石黒賢さんが言葉を発するたび、
全身に悪寒が走りました。
私が部下だったらこの上司のお茶に
少しずつ毒を混ぜて計画的に殺しますね。
だって生理的に受け付けないもん。

ごめん、しゃべらないで!
未来予想図石黒

■良いところ
演出がうまいです。
『涙そうそう』はスローモーションとクロースアップを多用しつつ
全部セリフで説明するというまんまテレビドラマの演出でしたが
この映画の監督は結構頑張ってます。
というかこのキャストとこの脚本でよくここまで頑張ったなあと
感心してしまいました。
あと散々悪口言いましたけど、キャストでは
サグラダ・ファミリアで働く彫刻家を演じた加藤雅也さんが良かったです。
彼の演技だけは説得力がありました。

サグラダ・ファミリア教会。
サグラダファミリア


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『ハナミズキ』 2010(日)
ハナミズキ映画

■モチーフになった曲

ハナミズキ」(作詞:一青窈、作曲:マシコタツロウ、編曲:武部聡志)
ハナミズキ一一青

■あらすじ
夢のために東京の大学受験を目指す紗枝と
漁師の家業を継ぐ為に励んでいる康平は
奇妙な縁から出会いお互い想い合うようになる。
しかし東京に上京した紗枝と釧路に残った康平は遠距離恋愛を始めるも、
それぞれのすれ違いから別れを選ぶことになってしまう。
そしてそれぞれの道を進む2人は再び出会うこととなったが…。
ハナミズキが導く10年に渡る愛の行方は。

■感想
監督の土井裕泰さんは、『いま、会いにゆきます』『涙そうそう』
と、雑なメロドラマを生み出すことに職人的な巧さを発揮する方です。
やっぱりその雑な感じはこの映画でも変わりません。

ではストーリー追って書いていきます。
高校時代のシークエンスは省きます。

大学生活を送るガッキー。
生田くんと久しぶりの再会。
生田くん、向井くんとガッキーの仲良さげな
姿に嫉妬。
生田くん、やけになっていい年こいてケンカ。
でもすぐに仲直り。
いいですねー。
なんかバカっぽくてww
~時間経過~
生田くんのお父さん、突然死ぬ。
生田くんとガッキー別れる。
生田くん寂しくなったのか漁協の女の子を襲う。
ガッキー就活に失敗。
向井くん、ガッキーの頭をポンポンする。
ここにはちょっとキュン!っとしてしまいました。男なのに。
この年で恋する乙女の気持ちがちょっとわかりました。
ガッキー、NYに行く。

向井くんとの2ショット。
なんかこっち方がしっくりくるなあ。

向井君

~時間経過~
NYで働くガッキー、向井くんにプロポーズされる。
友達の結婚式で日本に戻るガッキー。
生田くんと再会。
生田くんは結婚している。
生田くんとガッキー思い出の場所を巡る。
熱い抱擁を交わす。
生田くん、帰ってくると借金漬けなお家の一大事。
生田くん、奥さんに離婚される。
家庭の一大事に昔の女と乳繰り合ってたんですから
しょうがないですね。
自業自得です。
向井くん、取材先で突然死ぬ。

ガッキーin NY。
違和感しかしません。

ハナミズキNY

ガッキーのあまりお上手でない英語のスピーチ。
なぜか感動。
ガッキー思い出の場所カナダを巡る。
遠洋マグロ漁船に乗っていた
生田くんとニアミスする。
ガッキー北海道に戻る。
って待て待て!
やっとNYでの仕事が軌道に乗ってきたところじゃなかったの?
ていうか海外で働くために生田くんと別れたんじゃなかったの?
今さら昔の男のケツを追っかけて何になるんだよ!
頼む!もう少し自分を持ってくれ!!
ガッキー、実家で英語教室を開く。
人がほとんど住んでいないクソ田舎なのに
なぜか教室が大繁盛という不思議な現象は
とりあえず置いておきます。
生田くん帰ってくる。
ハナミズキの下で感動の再会。
終わり

ふー、なんだか疲れました。
書いていて気が付いたのですが
物語の要所要所で必ず誰かが死にます。
そして誰かが死なないと話が進みません。
『バトル・ロワイヤル』みたいですね。

あとこの映画が上記の2作と違うのが
原曲に対するリスペクトが全くないということです。

一青窈さんの「ハナミズキ」の歌詞
"君と好きな人が百年続きますように"
というのは"あなたとは離れてしまったけどずっと遠くで幸せを祈っているよ"
ということではないんでしょうか?
それなのになんだか挫折して傷を舐めあうようにくっつくって
違うんじゃないでしょうか。

ガッキーも生田くんも別の人と結ばれて、今は遠く離れてしまった。
結局一緒にはなれなかったけど、お互いずっと大事に思ってるよ
幸せを祈ってるよ。
という内容では駄目だったんでしょうか。

■良いところ
高校時代のパートは良いですね。
ここだけで終わったら普通に結構満足でした。

チャリで2ケツ。
青春ですねえ。

ハナミズキ高校時代

カナダパート、NYパートは少しも魅力的でないというか
話のスケールに合わなくて違和感しか感じないのですが
北海道パートのビジュアル面は本当に素晴らしかったです。

■3本のまとめ

演技と脚本が一番無理なのが
『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』
演出が一番無理なのが
『涙そうそう』
モチーフとなった曲の内容を一番反映していないのが
『ハナミズキ』
でも曲との関連性は映画の出来とは別と考えると
この中で一番の秀作は『ハナミズキ』ということに勝手にします。
「だから何だよ?」って思われるでしょうが気にしないで下さい。
勝手に書いてるだけなので。
今日はこんなところで、では。

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コメント

やべえ全部見たことがないw
映画ファンとしては大失態か
2010/ 12/ 21( 火) 20: 47: 24| URL| BlueNote# -[ 編集 ]
 
> やべえ全部見たことがないw
> 映画ファンとしては大失態か
損失かどうかはわからないですけど
涙そうそうとハナミズキはヒットしてますから
今のティーンがどんなもので感動してるのかが
よくわかって勉強になります。
面白いとは思わないんですけど。
2010/ 12/ 21( 火) 22: 13: 34| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 

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