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映画『マイ・バック・ページ』とその時代 1960年代新左翼と学生運動

山下敦弘監督の4年ぶりの新作
マイ・バック・ページを観てきました。
マイ・バック・ページ

社会派青春映画とも言える骨太な本作ですが
時代背景から新左翼学生運動が深く内容に
関わってくるので馴染みのない現在の若者には分かりにくい
部分が多かったと思います。

ですので簡単に当時の時代背景を説明してみます。
間違っていたらご指摘下さい。 
新左翼とは?
凄く乱暴な説明の仕方をすると
新左翼というのは思想のためなら
積極的に暴力を振るう
過激な左の人たちのことです。

なぜ「新」と呼ぶかと言えば
それまでの共産党とか社会党のような
既存の左翼団体を既成左翼として
彼らが批判していたからです。

新左翼は既成左翼に対して
より急進的な革命や暴力的な革命を
標榜して1960年代の学生運動
大きな影響を与えました。

■60年代末の新左翼運動。
映画は1969年から始まります。
この時代は新左翼運動(と学生運動)の終末期でした。

その転機となったのが
いわゆる「70年安保」
「東大安田講堂事件です。

■東大安田講堂事件
東大紛争
当時、高度経済成長真っ只中だった日本では
ベビーブーム世代が大量に大学に入学する一方で
大学運営には旧態依然とした部分が残っていました。

これに対して学生側は授業料値上げ反対・学園民主化などを求め、
各大学で結成された全共闘や、
それに呼応した新左翼の学生が暴力を伴った
戦いを展開する学園紛争が全国各地で起きました。

「東大安田行動事件」は彼らが
暴力的手段によって
東京大学の本郷キャンパスを
違法に占拠していた事件で、
大学から依頼を受けた警視庁によって
1969年1月18日から1月19日に封鎖解除
されたました。
この事件を契機に学生運動自体が下火となっていきました。

■70年安保
安保というのは日米安全保障条約(安保条約)のことです。
中学校の歴史で習うので不要かと思いますが
一応ざっくりと説明すると
安保条約というのは要は
両国の安全保障のために日本にアメリカ軍(在日米軍)が
駐留することを定めたものです。

当時はまだ太平洋戦争の記憶が日本人の中に
色濃く残っていたため、この条約は日本をアメリカの戦争に
巻き込むものだとして、多くの市民が反対しました。

「70年安保」は1960年に締結された
安保条約が10年の期限を迎え自動延長するに当たって
起きた反対運動です。

この運動は条約が自動延長となったことから
あまり一般には広がらず、少数の新左翼の活動に終始しました。

ちなみにこの後も残った新左翼活動家達の
行動はさらに過激化します。
1971年には連合赤軍が発足、あの「あさま山荘事件」
を起こすことになります。

連合赤軍とあさま山荘事件についてはこちらに書きました。
http://undersiege.blog112.fc2.com/blog-entry-68.html

政界でも安保期の1969年12月の総選挙では、
自民党が国会での議席を増やす一方、
安保延長に反対した社会党は約50議席を減らして大敗し、
佐藤栄作の長期政権は1972年まで継続します。

■朝霞自衛官殺害事件

本作は川本三郎氏の同名回顧録を原作としています。
映画内の自衛官殺害も実在の事件が元になっています。

朝霞自衛官殺害事件は陸上自衛隊の朝霞駐屯地で歩哨中の自衛官が
新左翼によって殺害されたテロ事件です。
当時朝日ジャーナルの記者だった川本三郎氏は
犯人の証拠隠滅を手伝ったために逮捕され、
マスコミの信用失墜にも繋がりました。

流石は朝日。
ミサイルが飛んできたらという質問に
武力攻撃事態ということになるだろうけど、1発だけなら、誤射かもしれない。
と言う頭の中にお花畑が咲いているとしか思えない電波回答を述べただけのことはあります。
昔からやっていることは変わってないんですね。

はてなキーワード「一発だけなら誤射かもしれない」
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%EC%C8%AF%A4%C0%A4%B1%A4%CA%A4%E9%B8%ED%BC%CD

まあこれは僕の私見なのでどうでもいいことなのですが
個人的に左翼というものが大嫌いでして
僕には彼らが日本人なのに日本が嫌いで仕方ないという
ただの変な人たちにしか思えません。

右翼が好きというわけでもないですけどね。

■映画の造形と村上春樹。

本作の底流には「喪失感」があると思います。
ここに村上春樹的なものを感じるのですが
村上春樹先生の青春時代は学生運動真っ盛りで
作品中にもしばしば学生運動の描写が表れます。

これは本作の時代背景ともぴったりです。
その影響はキャラクター描写にも及んでいると思います。

例えば、まがい物活動家松山ケンイチの行動は
「ダンス・ダンス・ダンス」に登場する
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)
(2004/10/15)
村上 春樹

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五反田くんを彷彿とさせます。

五反田くんが学生運動
リーダーをしていたときのエピソードに
「逮捕されてさ、取調べのときに洗いざらいベラベラ喋って
解放してもらったんだ」
というのがあるためです。

ちなみにライティングを観てて気が付きましたが
山下監督は映画の『ノルウェイの森』を意識したのでしょうか。
日本映画にしては珍しくかなり陰影をくっきりとつけて
逆とサイドライトを当てていたので。

山下監督が『ノルウェイの森』を撮っていたら
どうなったのか興味はつきません。

■最後に
本作はキネ旬あたりが好きそうな
ニューシネマ的佳作として悪くない出来だと思います。

が、決して多くの人にとって楽しい映画ではないでしょう。

なぜなら世代によっては学生運動自体が意味不明ですし
インチキ活動家と彼を信じてしまう記者
という二人にシンパシーを感じる人はきっと少数派です。

しかも、そういう二人の姿を暗くて鬱々とした
ルックスで2時間20分延々と見せられて
「うわあー超楽しかった!」と言える人はもっと極少数でしょう。

それに本作はクロースアップとミディアムショットの
フィックス長回しが非常に多く
見ている側は常に緊張を強いられるというのもありますし。

関連作品

人狼 JIN-ROH』 2000(日)
人狼
ドイツによって戦後統治された架空の日本が舞台。
架空の世界の学生運動を描いているので現実とは異なります。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』 2008(日)
実録・連合赤軍
連合赤軍の発足からあさま山荘事件に至るまでの
過程を描いた実録骨太社会派映画です。

ドリーマーズ』 2003(英・仏・伊)
ドリーマーズ
学生運動に端を発する民主化運動「五月革命」
前夜のパリを舞台とした映画です。
エヴァ・グリーンのおっぱいを心行くまで堪能できる
素敵なおっぱい映画でもあります。
ベルトルッチ監督ありがとう!

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コメント

要は乙パイは素晴らしいということですね!
2011/ 06/ 02( 木) 22: 05: 13| URL| BlueNote# -[ 編集 ]
 
はい!そのとおりです!
> 要は乙パイは素晴らしいということですね!
2011/ 06/ 02( 木) 23: 23: 54| URL| ランボー怒りのサービス残業# -[ 編集 ]
 

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